秋はもっともイベントが多い時期と言われています。このタイミングで本格的なデジタルカメラの購入を考えている方もいらっしゃると思います。
レンズ交換に対応しているカメラには、フィルム時代からある一眼レフタイプのものと、比較的新しく登場したミラーレスタイプの2つがあります。どちらを選ぶべきか迷ったときにチェックしてほしい8つのポイントを整理しましたので、カメラ選びの参考にしていただければと思います。
チェックポイント1:「できるだけコンパクトで軽量な方が良い」
《 ミラーレス適合度:◎ デジタル一眼レフ適合度:○ 》
カメラ選びにおいて、サイズや重さは大切な項目の一つです。ご自宅の中だけで撮影するのであればあまり関係はありませんが、一般的には旅行先や職場、学校等に持ち運ぶことも多いのではないかと思います。
各社とも、カメラの小型・軽量化には力を入れていますが、それでも一部を除きレンズ交換式カメラはコンパクトよりもかさばり、重いカメラであると言えます。
どの程度まで許容できるかは、人によっても異なりますし、使い方によっても変わってきます。学校の運動会で使うのであれば、比較的体力のない方であってもそれほど気にされる必要はないと思いますが、これが登山となると体力がある方であったとしても1gでも軽いカメラを望まれることになります。また、散歩で持ち歩くのであれば、できるだけ目立たず気軽に持っていけるカメラが必要かもしれません。
コンパクトで軽量なカメラという点では、ミラーレスカメラの方が適しています。まず第一に、ミラーボックスがない分カメラ本体が小さくなること、第二に、デジタル一眼レフよりも小型のイメージセンサーを搭載している機種もあること、第三に、カメラ本体だけでなくレンズも小型軽量化しやすいこと、といったメリットがあるためです。
デジタル一眼レフの中にも、キヤノンEOS KissX7やニコンD3200のように比較的コンパクトな機種もあります。しかし、この点を重視されるのであれば、ミラーレスカメラの方がより適していると言えます。
チェックポイント2:「カメラのデザインにはこだわる方だ」
《 ミラーレス適合度:◎ デジタル一眼レフ適合度:○ 》
あまり重視されていませんが、カメラ選びにおいて大切な項目の一つがデザインです。現在販売されているすべてのカメラは、デザイン面でも一定の水準をクリアーしていると言えます。しかし、個人個人によって好感を感じるデザインは異なってくるのも確かです。
伝統的なデジタル一眼レフのようなボディスタイルに「カメラらしさ」を感じる人もいれば、逆に「いかにも本格的なカメラっぽい」ものは避けたいと思う方もいます。
ミラーレスカメラには、一眼レフのようなデザインのカメラがある一方で、コンパクトカメラに近い四角形のものもあります。デザイン面で考えた場合、ミラーレスカメラは構造上のデザイン自由度が高く、選択の幅が広いというメリットがあります。
カメラのデザインが大切なのは、カメラは撮影場所に持っていかなければ撮影できないからです。荷物が増えたとしても、スマートフォンやコンパクトカメラでなく、あえてレンズ交換式のカメラを持っていきたいと思うことが大切であり、そのためにはそのカメラにどれだけ愛着を持てるかが重要になってくるからです。
チェックポイント3:「望遠レンズを積極的に使いたい」
《 ミラーレス適合度:○ デジタル一眼レフ適合度:◎ 》
レンズ交換式カメラの魅力は、レンズを取り換えることで様々なシーンに適合させることができる点にあります。超広角から超望遠まで、一つのカメラボディで楽しむことが可能であり、予算にあわせて徐々にレンズを揃えていくといった楽しみ方もあります。
望遠レンズを使うときにポイントとなるのは、ファインダーの有無です。試してみるとすぐにわかりますが、望遠撮影において液晶モニターで構図を決定するのはなかなか大変です。また、望遠レンズになればなるほど手振れがしやすくなりますが、その点でもファインダーを覗く撮影スタイルの方がふさわしいと言えます。
ミラーレスカメラの中にも、電子ビューファインダーを内蔵したり、外付けのファインダーに対応しているものがありますので、もし望遠レンズを使った撮影も考えているのであれば、こうしたカメラから選ばれることをお勧めします。
これに対しデジタル一眼レフには、必ず光学ファインダーが内蔵されていますので、望遠撮影にも適しています。また、デジタル一眼レフはフィルム時代から同じマウントを引き継いでいるものが多いため、望遠レンズを含めレンズ・ラインアップが充実している点もアドバンテージになってくると思います。
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チェックポイント4:「スポーツ写真をたくさん撮るつもりだ」
《 ミラーレス適合度:○ デジタル一眼レフ適合度:◎ 》
被写体として動きのあるものを中心に考えている方も多いと思います。F1レースは典型的な例ですが、スポーツ試合や運動会など、動く被写体に対しても、デジタル一眼レフでは問題なく撮影することができます。
デジタル一眼レフが動きのある被写体の撮影に適している第一の理由は、位相差方式のオートフォーカスシステムである点です。この方式は、ミラーレスカメラで一般的なコントラスト方式と比べると、ピントが前と後ろのどちらにズレているかを直接つかむことが出来るというメリットがあります。とくに、前後に動きのある被写体の場合、位相差方式の方が圧倒的に速く合焦させることができます。
第二の理由は、「チェックポイント3」とも関連しますが、デジタル一眼レフは必ずファインダーを内蔵している点です。スポーツ写真では、比較的遠くにある被写体に素早く構図を合わせなければなりませんが、そのためにはファインダーを使った撮影スタイルの方が適しています。
とはいえ、ミラーレスカメラに搭載されているコントラスト方式のオートフォーカスも高速化されてきており、位相差方式と組み合わせたものも増えています。デジタル一眼レフと比べると、速度的にはまだ差はありますが、以前ほど大きな違いではなくなってきているのも事実です。
また、電子ビューファインダーを内蔵しているミラーレスカメラであれば、素早い構図と言う点でも対応することが可能です。光学ファインダーと比較すると、電子ビューファインダーでは、被写体の動きが止まったりカクカクしたりするものもありますが、この点でも徐々に改良されてきているように思います。
チェックポイント5:「動画撮影も積極的にするつもりだ」
《 ミラーレス適合度:◎ デジタル一眼レフ適合度:○ 》
最近のデジタルカメラでは、ほとんどの機種がフルHDの動画撮影に対応しており、中には60pでの撮影が可能なものもあります。ビデオカメラと比べると、ボケを活かした被写体を浮かび上がらせる撮影が容易なため、動画撮影を主目的としてレンズ交換式カメラを購入される方もいます。
動画撮影において、デジタル一眼レフでは光学ファインダーを使うことはできません。カメラの構造上、ミラーアップさせたライブビュー状態で撮影しなければならないからです。
これに対して、電子ビューファインダーを内蔵したミラーレスカメラであれば、静止画撮影と同じようにファインダーを使った動画撮影が可能です。ミラーレスカメラ用には、パワーズームを搭載したレンズが多く用意されている点も、動画撮影におけるアドバンテージと言えます。
他方で、動画撮影において、あえてデジタル一眼レフを選ぶ方もいます。その一番の理由は、より大きなイメージセンサーを使って動画撮影をしたいということであり、現時点ではフルサイズのイメージセンサーを内蔵しているレンズ交換式カメラはデジタル一眼レフだけだからです。
チェックポイント6:「予算面を特に重視している」
《 ミラーレス適合度:◎ デジタル一眼レフ適合度:○ 》
コンパクトカメラからのステップアップを考えている場合、とくに予算面は重要なポイントだと思います。最近のデジタルカメラの基本性能はかなり向上してきていますので、購入したカメラは比較的長期間使用できる実力を備えています。長く使うことを前提に買うのであれば、やはり最新機種をお勧めします。デジタルカメラの世界では、型落ちした上級機種よりも最新のエントリー機種の方が描写性能が高いケースも、決して珍しくはありません。
デジタル一眼レフでもエントリークラスの製品は用意されていますが、ここ最近の傾向としてはミドルクラス以上の製品を手厚くラインアップするように変わってきています。実際に購入に当たっては個別機種ごとにチェックする必要がありますが、全体としての傾向は、ミラーレスカメラの方がエントリークラスの選択肢が多い状況となっています。
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チェックポイント7:「音楽発表会などでも使いたい」
《 ミラーレス適合度:◎ デジタル一眼レフ適合度:○ 》
撮影シーンによっては、カメラから発生する音をできるだけ抑える必要があります。フィルムカメラの時代では、一眼レフを専用の防音ケースに入れて撮影するプロも少なくありませんでした。デジタルカメラの場合、フィルムカメラと比べ機械動作部分が少ないため、一眼レフでもかなり音は静かになってきています。カメラによっては、静音モードを搭載している機種もあります。
しかし、やはり音を抑えることが重要であれば、ミラーレスカメラの方が適していると言えます。一番の理由は、ミラーレスカメラではミラーが上下するときに発生する音がないためです。実際に静かな場所で、デジタル一眼レフとミラーレスの動作音を比較すると、おそらく予想されている以上の違いを実感されると思います。
チェックポイント8:「とにかく高性能で描写力の高いカメラがほしい」
《 ミラーレス適合度:○ デジタル一眼レフ適合度:◎ 》
「せっかく本格的なカメラを買うのだから、最高の機能と描写力をもったカメラが欲しい」とお考えの方もいると思います。その方には、文句なくデジタル一眼レフのフラグシップカメラをお勧めします。フルサイズのイメージセンサーから生み出される圧倒的な描写性能や、あらゆるシーンで安心して頼れる基礎力は、まさにフラグシップ機の独壇場と言えます。最近はミラーレスカメラでもフラグシップ的な位置づけのカメラが出てきましたが、やはりニコンD4やキヤノンEOS-1DXとの間には超えられない壁があると言わざるを得ません。
また、機能面はともかく、描写性能にこだわりたいという方にとっても、現時点でのベストチョイスはフルサイズのイメージセンサーを搭載したデジタル一眼レフとなります。同世代であれば、基本的にはイメージセンサーのサイズが大きい方が描写性能も高くなる傾向にあり、フルサイズとAPS-Cサイズの間にも倍以上のサイズ差があります。
なお、現時点では噂情報に留まりますが、フルサイズのイメージセンサーを搭載したミラーレスカメラの可能性もあります。ぜひともデジタル一眼レフのフラグシップ機に正面から立ち向かえる実力をもったミラーレスカメラの登場を期待したいですね。
以上、ミラーレスカメラとデジタル一眼レフの得意・不得意について整理いたしました。ミラーレスカメラが登場して5年が経過しましたが、ミラーレスカメラの強みがブラッシュアップされてきていると同時に、弱点も徐々に克服されていきていることを感じます。他方で、デジタル一眼レフもボディサイズの小型化や描写性能の向上など、さらに進化しています。
その意味では、「ミラーレスカメラでないと」「デジタル一眼レフでないと」という部分が小さくなっているのだと思います。両方の持っている特長を理解された上で、先入観にとらわれることなくカメラ選びをされることが大切です。
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