先週、3月21日に発売となったニコンの高級コンパクト、COOLPIX AとCOOLPIX P330のレビュー作業を行いました。その結果については、各々のレビュー記事をみていただければと思いますが、改めて高級コンパクトカメラの高い描写性能が印象的でした。
COOLPIX Aはデジタル一眼レフと同じAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していますから、当然といえば当然ですが、1/1.7型イメージセンサーを搭載するCOOLPIX P330も解像力や高感度性能の点で十分すぎるレベルに達しています。P330のイメージセンサーは基本的にはP7700と同じですが、その描写性能がP310/P300と同じコンパクトなボディに搭載されている点がポイントだと思います。
果たして、現在の高級コンパクトの描写性能はどのくらいのレベルにあるのか。それを知るために、まずは各機種の高感度性能を整理した記事が「ここまで来た!高級コンパクトの描写性能」です。記事では、ISO200、ISO1600、ISO6400の画像を一覧で掲載していますが、縮小した全体画像や部分切り出しの画像を見てもらえるとわかる通り、耐ノイズ性能が極めて高いことを示しています。フィルムカメラの時代には、ネガフィルムでもせいぜいISO400、やむを得ない場合にISO800を使うといった感覚でしたので、隔世の感がします。
一般に「ちょっと暗めの屋内」では、ISO100、絞りF2.8では1/4秒程度のシャッタースピードとなります。これにISO6400にすると1/60秒で撮影できることになりますので、広角側であれば手ぶれ補正機能がなくてもぎりぎり撮影できるシャッタースピードです。
デジタルカメラは拡大表示を容易に行えますが、通常の楽しみ方としては、せいぜい画面全体に表示したり、L版やはがきサイズへのプリントといったケースが多いのではないかと思います。フィルム時代からの感覚で、ついついISO100で撮影したくなりますが、ISO感度自動設定を含めもっと高感度側を活用する撮影スタイルに変えた方が幸せになれるのではないでしょうか。
ちなみに、上記に掲げてある写真は、ISO6400でのニコンCOOLPIX P330の画像(高感度ノイズ設定は標準)で、300×225ドットに縮小したものです。これに対し、この下の画像は同じ元画像を600×450ドットに縮小したものですが、いずれもノイズ感はほとんど感じられないと思います。