9月20日にリリースされたiPhone5sですが、発売開始から2週間がたち、店頭在庫もだんだんと増えてきています。量販店等ではボディカラーや容量を選ばなければ即日購入することも可能になっているようです。発売前の記事「iPhone5sのカメラ性能は?」でも記載しました通り、iPhone5からの重要な進化ポイントの一つがカメラ性能でしたので、iphone5と比べてどう変わったのか、実際にチェックをしてみました。
テスト結果の詳細は、レビュー記事「Apple iPhone5s カメラ性能をチェック!」を見ていただくとして、ここではテストしてみて感じたことを記したいと思います。
iPhone5からさらに向上した描写力
iPhone5sに搭載されているイメージセンサーは有効800万画素1/2.9型(推計)の裏面照射タイプCMOSセンサーです。一般的なコンパクトデジカメの1/2.3型よりもさらに小さいセンサーですが、画素数を抑えることで個々の画素の力を引き出す設計となっています。アップル社の発表でも光の感度は33%向上しているとのことですので、高感度性能やダイナミックレンジなどの点でプラスと言えます。
昨年9月にテストしたiPhone5のレビューでは、廉価型のコンパクトカメラを凌駕する描写力であることを確認しましたが、今回のテストでは、さらに描写性能が向上していることを実感しました。これはイメージセンサーの実力に加えて、5枚構成の単焦点レンズの性能が高いことを示しているのだと思います。
とくに解像力テストでは、ISO12233チャートの限界である2500本のラインが視認できた点には驚きました。一部にモアレが発生しているとはいえ、この点だけをみれば高級コンパクトに匹敵する解像力を持っていることを示しています。
スマートフォン用カメラの限界?
iPhone5sの描写性能がここまで高くなったことで、逆にスマートフォン用カメラの限界も感じました。実際にテスト画像を見て頂ければわかると思いますが、シャープネスがかなり強めにかけられており、ここからさらに加工する上での余裕があまりないということです。このことは、同じテストチャートの結果でも、縦方向や横方向の解像力に対して、斜め方向の解像力が低下していることでもわかります。つまり、撮影したそのままの形で活用するのであれば高級コンパクトに匹敵する実力を示すこともある一方で、素材として活用するといった使い方では早目に限界が出てしまうということになります。
こうした状況に対する一つの答えが、今月発売されるソニー サイバーショットDSC-QX10/DSC-QX100なのだと思います。レンズやイメージセンサーはDSC-WX200やDSC-RX100M2と同じものが搭載されていますので、描写力の面ではコンパクトデジカメを完全に置き換えることを目指したカメラであると思います。
とはいえ、iPhone5sで達成した描写レベルを見ると、これだけの力があればコンパクトデジカメがカバーしてきた利用形態の少なからぬ部分を置き換えることができるのも事実です。各社とも廉価タイプや小型軽量「だけ」が売りのカメラについてはラインアップの見直しに着手していますが、これからコンパクトデジカメがどのように進化していくのか、注視したいと思います。
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