昨年11月に選定したmonoxAwards2012で、「もっとも元気だったメーカー」に選ばれたのはソニーでした。今年に入って、やや勢いが衰えたかに見えましたが、いよいよソニー攻勢の第二幕が開幕となりそうです。まずは、今月末から来月にかけて予定されている3回の発表では、噂で流れていた各製品がリリースされる見込となっています。
発表会で姿を見せるのは、次の各製品です。
【レンズカメラ】
DSC-QX100(有効2020万画素1型センサーと28-100mm相当F1.8-4.9のレンズを搭載。)
DSC-QX10(有効1820万画素1/2.3型センサーと25-250mm相当F3.3-5.9のレンズを搭載。)
【既存NEXシリーズ】
NEX-5T(NEX-5Rの後継機)
NEX-7後継機
Eマウント新型レンズ(E16-70mmF4等)
【新NEXシリーズ】
フルサイズNEX
デジタル一眼デザインのNEX(ILC-3000?)
【Aマウントシリーズ】
Aマウントミラーレスカメラ
Aマウント新型レンズ
どの項目も、次号のデジカメ雑誌のトップ記事を飾れるだけのニュースバリューがあると思いますが、これらが立て続けに発表されることを考えると、総合家電メーカーの持つ「層の厚さ」を垣間見る気がします。
こうした姿を「力に任せて全方位的・総花的にあらゆる可能性を追求している」と評する声も聞こえますが、私は逆にかなり絞り込んでいるように感じています。その方向とは、第一に、ミラーレス方式へのシフトを加速させているということです。既存NEXシリーズを世代交代させるとともに、フルサイズやデジタル一眼的なデザインへのニーズにも対応し、Aシリーズについても本格的にミラーレス化がはかられようとしています。単にカジュアル性や小型軽量性のニーズにこたえるだけでなく、レンズ交換式カメラに求められるすべてのニーズを視野に入れたミラーレスカメラへの転換、と言ってよいと思います。
第二に、既存の形状にこだわらない、新しいカメラ機能の追求をしている、ということです。そのわかりやすい例がレンズカメラと言えます。こうしたアプローチは、もしかするとパンドラの箱を開けることなるのかもしれません。しかし、スマートフォンやタブレット端末がこれだけ急速に普及しつつある状況では、新しい利用シーンを踏まえた転換は生き残る上で必須と言わざるを得ないように思います。
先日のニコンの発表では、ミラーレスへの市場転換が進んでいないことを示していました。そうした状況を踏まえ、ニコンの(そしておそらくはキヤノンも)戦略は「デジタル一眼レフの強化」ということでしたが、ソニーは「ミラーレスへの移行が進んでいないのは、魅力あるミラーレス機(ニーズに応えるミラーレス機)を提供できていないからだ」と考え、さらに流れに棹をさそうとしているのだと思います。現時点でどちらの戦略が『正しい』のかはわかりませんが、転換期にはこうした多様性こそが大切なのかもしれません。
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